こんにちは!ごっとんです。
先日アップした落下テストについての記事なんですが、この時にもすでにいろんな素材を作っておりました。
その中でも、さらに素材を追加して11月24日(動画では23日って言ってるけど)第2回目の落下テストをしてきましたよ!
まずは動画を見た方が早いかな!
動画は全部一気に形にすると再生時間がめっちゃ長くなるので、とりあえず三つほどに分けようと思っています。
なので、ブログではいち早く結果をご報告しまして、今回どんな傾向が見えたのかを書いていこうと思います。
ではどうぞ!
目次
第2回落下実験の結果まとめ
混合素材 | 海水量 | 結果(砕けた部分の割合) |
赤土(100%)+消石灰(20%)+灰(10%)+砂利(20%) | 普通 | 35%ほど砕けた |
赤土(100%)+消石灰(10%)+サンゴ砂(20%) | 普通 | 50%ほど砕けた |
赤土(100%)+消石灰(30%) | 多い | 25%ほど砕けた。破片は指で力を入れないと砕けないほどの硬さ。 |
赤土(100%)+サンゴ砂(30%) | 多い | 20%ほど砕けた。残った本体もかなり硬く、力一杯捻っても折れることはなかった。 |
赤土(100%)+サンゴ砂(30%) | 普通 | 30%ほど砕けた。残った方も硬い印象だが、少しパラパラと砂が出る。 |
赤土(100%)+消石灰(10%)+灰(30%)+サンゴ砂(20%) | 普通 | 全て砕けてしまった。「水硬性」が付与された。表面はとても綺麗だが、強度は出なかった。 |
山の土(100%)+消石灰(10%)+灰(30%)+サンゴ砂(20%) | 多い | 75%ほど砕けてしまった。「水硬性」が付与された。入り口部分しか残らなかった。 |
赤土(100%)+消石灰(30%)+灰(30%)+サンゴ砂(20%) | 普通 | 砕けたのは30%ほどだったが、致命的な亀裂が入っており、全て砕けてしまった。「水硬性」が付与された。 |
赤土(100%)+特号消石灰(30%)+灰(30%〜10%)+サンゴ砂(20%) | 普通 | 特号消石灰と灰がうまく反応せず、ボロボロに崩れてしまう。落下させたところ粉々に。 |
赤土(100%)+特号消石灰(20%) | 普通 | 全て砕けてしまった。 |
赤土(100%)+特号消石灰(30%) | 普通 | 全て砕けてしまった。 |
赤土(100%)+特号消石灰(20%)+サンゴ砂(20%) | 普通 | 40%ほど砕けてしまった。破片は指で強くつまむと砕ける程度。 |
赤土(100%)+特号消石灰(30%)+サンゴ砂(20%) | 普通 | 90%以上砕けてしまった。 |
はわわ…結構ショック。
しかも、今まで僕、消石灰の質にばっかりこだわっていたんですが、「特号」の消石灰を使ってもあんまり良い結果にはなりませんでした。
どうやら西表島の赤土そのものに何か特徴があるように感じます。
以下に反省を踏まえて、所感と考察を書いていきます。
素材が多すぎた件
素材を作っている時はどんな配合の方向性が良いか考えながらやってるんで、「いろんなものを盛り込みたい精神」がめっちゃ旺盛だったんですが、実際試すことになって、色んなものに手を出すのは今回で十分やれたかなと思います。
使ったものは、赤土、山の土、サンゴ砂、砂利、焼却場の灰などなど…
やりすぎ!!組み合わせだけでいくつ必要なのよ!
そんなツッコミ通り、素材自体は「34個」作りましたが、結局実際強度が出そうだったのは「12個」程度。
動画に出てこない他の素材は乾かす段階で割れてしまったり、崩れてしまったりと残念ながらうまくいきませんでした。
いやー、物事はあんまり広げすぎない方がいいっすね。今後は厳選して強度が出るものだけ試していきます。
消石灰と西表島の赤土の相性
実際いろいろな素材を作ってるとわかるんですが、西表島の赤土ってほとんどが粘土質なんですよね。80%くらいそうなんじゃないか?
その上、砂利などはほとんど見当たりません。固まるんだけど衝撃に弱いもの(瀬戸物っぽい)ができやすいので、固めるときは「骨材(砂や砂利など、亀裂を防いでくれる素材)」を足してあげる必要があることがわかってきました。
実はこの話、とあるコンクリ会社の副社長さん(西表ではない)からも言われたんですが、沖縄の赤土って、他の土地の赤土と性質が違うらしいんです。曰く有機質も多いんだとか。
確かに消石灰を入れることで固まるには固まるんですが、叩くとちょっとガラスやセラミックに近いような音がします。
こういうガラスみたいな素材って「ゆっくり加重される圧力(捻りや押し込みなど)」に耐性があって、「短時間で一気に与えられる圧力(叩く衝撃)」に耐性が少ないんです。
ハンマーで叩くのか、グッと押し込むのかってことですね。
もちろん、どっちにも強いことが理想ですが、消石灰と粘土成分が多い赤土を使うとどうしても衝撃に弱いものができてしまう、と言った印象です。
骨材を入れればいいんだと思ったんだけど、今回の結果は良いものとなりませんでしたし…。
消石灰と西表の赤土は相性を考え直さないといけないかも、です。
特号にした意味なかった!
そう!
質にこだわって特号消石灰を試してみたところ、全く効果なし!!
出典:http://www.omi-mining.co.jp/business/slaked-lime/
これショックでした。
結局、消石灰がいかに純度の高いエリート消石灰であっても、硬い素材を作るには全く別の要素が必要だったということです。
言うなれば、すごい計算能力を備えて英検に挑んだ!みたいな。
はー残念すぎる。
サンゴってこんな強度でるの??
実はサンゴ砂を入れたのは、半ば遊び程度でした。どうなるかな〜?って。
でも、結果からすると、(赤土+サンゴ砂+海水多め)が一番強度が出たんですよね。海水多めだと少し乾くのに時間がかかるんですが、その分硬くなると思われます。
動画を見るとわかるけど、まだ完全に乾いてなくって反応が完了したわけではなかったからね。それでも今回の中で一番硬かった。
もし、消石灰でなく、サンゴ砂である一定以上の強度が出るなら、消石灰をわざわざ取り寄せる必要もないのではないか?と思い至りました。
それこそ「地産地消」を地で行く素材ですから。(まー西表島限定ですけど!)
焼却灰は「水硬性」が備わるが、硬くはならない!
出典:https://xn--88j3ar0f8938asnsc6vox0bk4e.com/hai.html
今回は灰をいろんな素材で使っています。
どうして急にそんなことを始めたのかというと、実はとある人から「灰を使っても強度が出るかどうかを確認してくれ」という話があったので、素材の中に盛り込んでいたんですね。
結果から言えば、「水の中で固まる珍しい素材」はできるんですけど、「あらゆるものと相性が悪い」ような気がします。
硬さが出ないんですよ。ある程度柔らかくなってしまう。
特にアルカリ質の強い「特号消石灰」を使ってみたんですけど、お互いに干渉しあっているのか、ボロボロに崩れてしまい、「硬くて水硬性のある」素材の実現には至りませんでした。
「火山灰」ならめちゃくちゃ優秀な素材
それこそ「コンクリート的な水硬性+硬さ」を実現している素材は「火山灰」です。岩石由来の成分「ケイ素」や「アルミ系素材」が入っていることが条件ですね。
ですから、火山灰が降ってくるような土地に住んでいる人は、それらに「消石灰」を混ぜてみると「半天然コンクリート」を簡単に作ることができますよ!固まるのに少し時間がかかりますが、セメント要らず!
羨ましすぎる。
酸化マグネシウム小話
ちょっと小耳に挟んだんですが、「酸化マグネシウム」と赤土の反応を使った素材がコンクリの4倍程度の強度を叩き出したそうなんですね。しかも水で反応して固まる「水硬性」だとか。
消石灰は「水酸化カルシウム」なのですが、「苦土石灰(くどせっかい)」は消石灰に「酸化マグネシウム」を追加したものだそうです。
つまり、農業用の「苦土石灰」ならばもっと硬い水硬性の素材が作れるのでは??
どなたか僕に苦土石灰を分けていただけないかなぁ。
今回の実験結果、総まとめ
- 灰は絶対ダメ
- 西表の赤土は特殊
- 消石灰の品質はあまり関係ない
- 次は苦土石灰で試したい
- 「サンゴ砂+海水多め」がダークホース的高強度
こんな感じになりました!
ではでは、また次の記事でお会いしましょう!